首都直下地震想定外 電源喪失 [防災]
首都直下地震の被害想定は発災直後のものが主である。したがってそこから派生する事案までは十分検討されていないのではないかと怪しんでいる。
中央防災会議がまとめた「首都直下地震の被害想定と対策について」を参照していただきたい。
例えば、首都圏の電力は東京湾沿岸地区の発電所から電源が供給されているが、その発電所が地震の影響で稼働できなくなった場合、発災後1週間で5割しか通電されない。1ヶ月経過後、関東以外の電力事業者から電力を融通すれば9割まで回復するとしている。(「すれば」と書いてあるのでまだ企画段階ではないかと怪しんでいる)
そこで課題になるのは、医療機関の電力である。大きな病院では自家発電設備があるが1週間持つか否かである。入院中の患者の生命維持にかかわる機材の電源はもちろん、緊急搬送された患者の手術等に係る検査機器も稼働させなければならない。そして、人工透析患者は2日か3日おきに透析を受けなければならない。日を変えて毎日数千人という人が医療機関を利用しなければならない。対応ができるのだろうか。
東日本大震災の時は電力に関しては復旧が早く3日以内にほとんど回復し、医療機関が直接被災した場合を除き医療ができる体制は回復していた。そして、被災地の人工透析等が必要な人を稼働している医療機関へ移送できた。
ライフラインのなかの電力一つが停止しただけで人の生命に重大な危機が迫る。そうならないよう、震災直後の対策を十分に練っておくべきだろう。
首都直下地震 国会議事堂は首相官邸より揺れない? [防災]
J-SHIS Map (全国地震動予測地図)をご存じだろうか。
これは国の地震調査研究推進本部が作成したもので、将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、その予測結果を地図にしたもの。
防災科研のJ-SHIS 地震ハザードステーションのホームページをご覧いただきたい。
「スタート」をクリックすると日本地図が表示される。最初の画面条件は「全ての地震」「平均ケース」「30年震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」が出て来る。この条件を「30年震度6強以上の揺れに見舞われる確率の分布図」にすると下の図となる。
すると、国会議事堂周辺は黄土色で首相官邸は赤となる。(色が若干違うが左の欄の透過率で調整すると凡例の確率の色に近づく)
判例では3から6%未満が黄土色、6%から26%未満が赤、26%から100%が紫となっている。
条件を「30年震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」にしてみると下の図のように26%から100%の紫になる。