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ギャップ [社会]

 ガザ地区の実態(2)

多くのパレスチナ人難民は、「ムハッイェム」と呼ばれている難民キャンプで生活しています。もっとも大きな難民キャンプはジャバリアの難民キャンプで、ガザ自治区のジャバリアの町の近郊にあります。衛生関連施設がひとつ、食糧分配センターがひとつしかない、この難民キャンプで、11万人が生活しています。ガザ地区南部、ラファの難民キャンプも、10万4千人が生活しており、パレスチナ難民キャンプで大きなもののひとつとなっています。この難民キャンプ2つの中に、2つのシフトで運営している25の学校があり、若年層の教育的需要を満たしています。

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3番目に規模が大きなパレスチナ難民キャンプは、ガザ近郊の地中海岸にある、アルシャルティ難民キャンプです。面積1平方キロメートルで、最低限の生活しか出来ないアルシャルティ難民キャンプは、8万7千人の難民を受け入れています。南部ハンユニスにも、ハンユニス難民キャンプという難民居住区域があります。この7万2千人が住む難民キャンプの学生は、2つのシフトで運営している25の学校に通っています。そのほか、デイロルバラフ自治区にある、6万6千人が住むヌシーラト難民キャンプがあり、ここも人口密度の高い難民キャンプです。また、デイロルバラフの別の難民キャンプ、デイロルバラフ難民キャンプは、1平方キロメートルの小さな面積の中に2万1千人が住んでいます。そのほか、この自治区のアルマガーズィー難民キャンプも1万2千人が、小さな土地の中で生活しています。そのほかのガザ地区の難民キャンプには、アルブリージ難民キャンプがあり、ここには3万4千人が500平方メートルの小さな場所に住んでいるのです。

難民キャンプでの生活は大変厳しく、住民は人口密度が高く、居住空間がない中、水の不足、とりわけ飲用に適した水の不足、失業率の高さ、大きな貧困に苦しみながら生活しています。アルブリージ難民キャンプの住民も、他のガザ地区の難民キャンプのように、電力不足の中、しばしば停電の中で生活しています。ガザ地区の難民キャンプで生活しているパレスチナ難民の多くは、シオニスト政権軍の攻撃、あるいはこの政権の圧政により、自分たちの住む場所を失っています。たとえば、2008年から2009年にかけて行われたガザ地区への攻撃で、シオニスト政権軍はミサイルや空爆で2114棟の住宅を破壊し、3242人が家を失いました。これらの人々のほとんどは難民として登録されており、一時的な難民キャンプで生活しています。

しかし、戦争による破壊とは別に、シオニスト政権は、規則的にパレスチナ人の住宅の破壊を行っています。シオニスト政権やその軍隊の安全保障とは、パレスチナ人の住宅を破壊するための口実に過ぎません。たとえば、シオニスト政権はパレスチナの武装グループの影響を守るための施設を作ることを口実に、ラファの境界線に分離壁などを作り、またラファの一部地域は占領されました。分離壁の建設地にあったパレスチナ人の家は全て、シオニスト政権のブルドーザーで破壊され、そのほかここに隣接した建物も、この建設物の安全地帯を作るとして破壊されました。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、2004年に報告の中で、ラファにおける家の破壊の中で、家を失ったガザ地区のパレスチナ人の数は1万6千人であると発表しています。アメリカ人の平和活動家は、2003年、ブルドーザーによる破壊活動に抗議する中で殺害されました。2000年に発生したパレスチナ人の蜂起・第2次インティファーダでは、シオニスト政権は対テロ作戦を口実に、シオニスト政権に反対する武装グループと関係のあるとされる人物3000人の住宅や、そこが武装グループによって使用されているという建物をブルドーザーや爆弾により破壊しました。国連はパレスチナの人々の家を破壊するシオニスト政権の政策を集団に対する罰則とみなし、これを人権に反しているとしました。

一方、ガザ地区の住民にとって、居住における問題はこれだけではありません。シオニスト政権によるガザ封鎖も、この問題を大きくしています。シオニスト政権はこれまで、ガザ地区に建築資材を搬入するのを厳しく制限してきました。このため、ガザの人々にとって、破壊された場所の復興や、新たな建設は困難であり、時に不可能だったのです。シオニスト政権の関係者は、武装グループはトンネルをつくり、シオニスト政権を脅かすために建築資材を使用すると主張しています。国連は報告の中で、建築資材の極端な欠乏により、ガザの復興プロセスが停止し、国連はガザの人々に対して適切な居住施設を提供できないとしています。このため、ガザ地区の人口の増加と、この地区の住居に対する高い需要により、パレスチナの人々が居住できる場所は規則的に少なくなっています。住居の数の減少はガザの人々にとって、ほかの問題も引き起こしています。住居に対する高い需要に対して、その提供が制限されていることで、ガザ地区の家賃は昨年に比べて、4倍に増加しています。

ガザ地区の住宅の密集状態は、この地区全体の人口密度の高さを表す最小のモデルとなっています。統計はガザ地区の170万人の生活について、もしガザ地区の1平方キロメートルに生活する人の数をほかの国のそれと比較した場合、ガザ地区は人口の点で、世界で最も人口密度が高い地域となっています。2014年、ガザ地区では1平方キロメートルあたり、5046人が生活しています。この地域の中心、つまりガザの町は、人口密度の点で世界第6位の都市となっています。またガザの人口増加率は世界最大となっています。2008年から2009年の期間のみ、ガザの出生率は5.2%にとどまりました。

ガザ地区の人口は、若年層の多さが特徴となっています。ガザ地区の人口の43.5%は14歳以下となっています。この地区に住んでいる25歳から54歳の人口は、全人口のおよそ30%のみとなっています。彼らは職や住居を求め、また結婚し家庭を築きたいと考えています。一方、ガザ地区の人口で3番目に多いグループは15歳から24歳の若年層です。このグループのほとんどは安全や食料、衛生や住居などの基本的な需要のほかに、もっとも大きな需要である教育的な需要も抱えています。

多くの有識者が、シオニスト政権はもしパレスチナ人を村から追い出し、都市に人口を集中させるようにすれば、パレスチナ人を管理する上でより大きな成功を収めると考えており、この政策により、ガザの都市部の住民の割合は、2011年に74%に達した、としています。また、ガザ地区の人口に関する特性という点で、宗教的な点をあげることができます。ガザ地区の住民の99.3%はイスラム教徒で、スンニー派が多数派となっています。また、キリスト教徒も総人口のうち0.7%を占めています。<引用 iran Japanese Radio


<らくがき>

東日本大震災の津波被害で多くの方が亡くなられ、家を失い、職を失った。しかし、国家が存在し行政が機能し、被害に遭わなかった国民も何らかの形で被災者の支援を行ってきている。そして、着実に復興の道を歩んでいる。

しかし、どうだろう日本の遠い西の国では引用記事のようなことが現実としてあるようだ。

戦争で家を破壊される。さらにはブルトーザーで破壊される。なんということなのか。戦車や戦闘機で戦闘するだけが戦争ではない。

日々生きることの意味を多くの日本人は理解できないに違いない。

日本人は「足るを知る」という消極的な思想も小脇に携えながら思考することが時には必要なのかもしれない。


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