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嗤っている場合ではない [国家]



という記事が目に留まった。


「世界最先端IT国家宣言」は「世界最先端IT国家創造宣言」のことだと思う。


この宣言は、バブル崩壊後の失われた20年に終止符を打ち、経済再生のために世界最高水準の IT 利活用社会を実現させて、「ヒト」、「モノ」、「カネ」 と並んで「情報資源」は新たな経営資源としり、「情報源」の活用により 経済成長の課題解決を図ろうとするもの。


この発想は当然であり、ごもっともなのだが、パソコンを導入したのはワープロとメールに利用することが当初の目的であったためベースとなる行政機関の汎用機器のOSはWINDOWSを選択してしまったところにポイントがある。さらにソフトもワード、エクセル、アウトルックが主流となった時点で行政デジタル化の失敗の道を歩むことになる。


国の行政機関はシステム開発をしているがそれは業者への外注であったりほとんどすべてを丸投げする委託である。だから、国が大きなシステムを構築するにしても職員の技術的な資質は問われず、オペレーターの仕事ができれば済んでいた。


民間ではOA化の波を先読みしてTRONというOSが開発されていた。そのOSは単にパソコンだけに限らず家電製品から自動車までを統括制御できるような構想で開発が進められていた。この開発計画は2000年を前にとん挫した。その原因は恐らく政府がパソコンの導入を始めたときにマイクロソフト社のOS、WINDOWSを選択したことが大きく影響しているはずだ。


結果として日本政府はプロダクト使用料に莫大な資金を米国マイクロソフト社へに支払っている。

世界最先端IT国家は資金を国内に還流せずに米国に流している。それでは最先端には到底至らない。


「2位じやダメなんでしょうか」という2009年11月の事業仕分けで2010年度スパコン開発予算は「凍結」され「見直し」の判定を下され進展が緩慢になった。無知な国会議員の一言で国内のIT化は大きく後退したのである。


「世界最先端IT国家創造宣言」のバックボーンを政府が自ら潰し弱体化させている中で行政のデジタル化がお粗末なのは当然の結末と言える。


OA化の進展を端末が行政職員1人1台を設置してOA評価を行っていたり、EDPS等をはじめとするOA化の基礎知識もない職員が端末のオペレータで終わっている行政に過度な期待をすることは誤りだろう。


情報通信技術(IT)政策担当内閣府匿名担当大臣ポストは適材を配置すべきである。素人国会議員ではなく民間の専門家の登用が必要に違いない。そして、20年前にとん挫したTRON計画を復活させなければ行政のデジタル化はもとより世界最先端IT国家創造宣言も絵にかいた餅にしかならない。嗤っている場合ではない。

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