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CoVID-19 医療危機的状況宣言 [COVID-19]

日本医師会が国の緊急事態宣言について「感染症爆発が起きてからでは遅い」と「医療危機的状況宣言」を出した。


これまで日本各地で散発的ではあるが、医療従事者の感染や病院内においてのCOVID-19の院内感染事例が報告されている。

東京都内では感染症病床を超えての感染者数が出始めている。

それというのもCOVID-19以外の感染症例えば結核の患者なども病床を埋めているからだ。


医療は医療施設の整ったところで行うのが前提で、診療所や病院の施設やスタッフの数まで事細かく定めている。

COVID-19感染者が増えて感染病床が満杯だからといって一般病棟に患者を入院させれば、院内感染が起こるのは目に見えている


院内感染でもともと別疾病で治療中の患者が死亡すれば、それは病院側の責任になってくる。

今のところ国は責任を取ろうとしていない。


現場の医療スタッフは患者の命を救うため一生懸命医療活動を行っているが、それは病院経営者側が、病院スタッフを病院に留めるために対価を支払っている。その両者のバランスが取れているから医療サービスとしての付加価値を創出している。


感染症以外の一般の病院でCOVID-19による院内感染があれば、病院は閉鎖しなければならなくなる。医療スタッフがCOVID-19に感染すれば、医療サービスは低下する。2週間程度で戦列から離れても戻れればいいが、長期入院となったり、最悪死亡ということになれば、医療スタッフの補充は効かない。

医師会はそこまでしか発言できないでいる。


「人の命を救う」という理念・意思が強い医療関係者は多い。それゆえにその考えを貫いていけば、勤務していた病院を辞め、独立して医療機関を設立することになっていく。

当然、借金を背負っての開業する。初めて病院経営の難しさを知るに違いない。

借金返済のために、いらざる検査などをする。毒にならないような薬や外用薬を少し多めに処方する。こうして診療報酬という病院経営のための原資をかき集める。


税務署に税務調査官がいて税務調査をして脱税などの不正取り締まりを行うのと同じように、厚生労働省に保健医療機関や保険医を対象に不正を取り締まる機関がある。

医療機関は常にその機関の監視対象になっている。

税務調査と同じように数年に1回調査が入る。そこで、不正や不適正事案があれば、診療報酬の返還が求められる。患者数が年間延べ数万人という医療機関では、一つの不適切事案が見つかれば少なくて数百万円規模の返還が発生する。場合によっては億単位もある。


COVID-19の感染拡大により医療機関がフル稼働になりつつある現在でも厚生労働省の機関は調査の手を緩めていない。これでは医療スタッフは治療に専念などできない。


医師会から言わせれば、「治療に専念させてくれ」「感染症病床が満床だから一般病棟で医療行為を行えというのは乱暴すぎる」「COVID-19感染収束後の医療機関の保証はどうしてくれるのか」という意見が出ているはずだ。


国はこういったことについては責任を取らない。取れない。なぜならば目先の「緊急事態」の認識があっても、感染拡大収束後の展望を考えることができないからだ。もし、考えているとしたならばなおさら動けない。


医師会が国の緊急事態宣言について「感染症爆発が起きてからでは遅い」と「医療危機的状況宣言」を出したのは、COVID-19による医療崩壊だけでなく、感染拡大収束後の医療崩壊(医療機関の閉鎖や倒産)も含めたものである。それは、医療資源の分散が起これば国の医療制度の根幹を揺るがすものとなることを暗に提起したものではないかと受け止めた。





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